Computechnodigitronicを公開したのは2010年2月9日です。セグメント式ディスプレイの実際の制約に縛られず、1980年代のLEDやLCD技術の雰囲気を捉えた書体を作りたいと考えました。名前自体も、1980年代のコンピューター企業がcompu、techno、digi、micro、tronといった接頭語をつなぎ合わせていたやり方を、冗談めかして引用したものです。
デザインはセグメントに分けるという考えから始めましたが、すぐに実際の表示装置の厳格な論理から離れました。FontLabで切り欠きを一つずつ描き、切り込みが揃うようオフセットをメモしましたが、制作過程はそれほどモジュール式ではありませんでした。数字は列の中で縦に揃えられるよう厳密な等幅にしましたが、アルファベットはプロポーショナルです。それでも等幅らしい見た目を強めるため、MやWは通常のプロポーショナルフォントより狭くしました。実際のハードウェアでは決して機能しない構造なのに、ありそうだと思わせる書体になりました。
Computechnodigitronicは最初から有料のフォントです。2021年6月18日に更新し、ドット付きLやブレーヴェ付きEなどの廃れた文字を削除し、スペースとノーブレークスペースの幅の不一致を直し、LTのカーニングを整えました。また、13/64や199/200のような長い文字列を扱えるようOpenTypeの分数機能を拡張し、反転した引用符を正しい形に置き換え、古い別形はUnicode 201Bと201Fで使えるように残しました。
個人的には最も気に入っているフォントなのに、Computechnodigitronicの売れ行きは悪く、目立ったプロジェクトに登場したこともありません。それでも一時期、Typodermic Fontsのウェブサイトの見出しに使っていました。私が興味を持ち続けられるような実験的な仕事を、いちばんよく表していたためです。